知恩院は三門は、日本最大級の木造の三門です!
今回は、知恩院の御朱印などについて紹介します。
- 知恩院とは
- 御朱印の種類や受付時間、場所は?
- 御朱印帳のデザインは?
- 見どころに「知恩院の七不思議」ってなに?
といったことについて紹介していきますので、参考にしていただければと思います。
知恩院とは
三門の有名な寺院といえば、京都にある四天王をはずせません。
南禅寺、東福寺、妙心寺、大徳寺ですが、これにもうひとつ「知恩院」をわすれてはいけまん。
「建仁寺」にも三門があるのですが、これらに比べると印象がうすいです。
この知恩院は三門も内部の仏像も文化財指定を受けている唯一無二の存在です。
この知恩院は法然上人所縁の寺院であり、浄土宗の総本山として高い格式があります。
もともとは、法然上人が建てた草庵(現在の勢至堂の辺りにあった)が源流であり、
寺院となってからも衰退と再興を繰り返したようです。
江戸時代になって知恩院が有力な寺院となったのは、徳川幕府と強いつながりがあったためで、現存する国宝の三門、本堂(御影堂)をはじめとする壮大な伽藍も建立されています。
知恩院の山門が立派なのも、徳川家康により二条城とともにこの寺院を幕府の拠点とし、朝廷を牽制する目的もあったようです。
その為か、知恩院の境内は、三門や塔頭寺院のあるエリア、本堂(御影堂)など中心伽藍のあるエリア、勢至堂、法然廟などのあるエリアの3つに分かれており、さながら山城のように下から上へと要塞のようなところがあります。
寺院なのに城郭のような威厳もあり、祇園周辺では一番見ごたえがあると思います。
そして、三門を過ぎると「男坂」と呼ばれる急な階段があり、これを登りきると御影堂へといたります。
そして、帰るときは、男坂の隣にある「女坂」から帰るのがおすすめです。
知恩院の御朱印種類・受付時間や場所
知恩院の御朱印は本堂のとなりにある授与所でいただけます。
「案内所」とある建物が授与所です。
多宝塔のとなりにあるのですぐわかります。(写真は御影堂修理完了前に撮影したものであり、2021年現在は工事は終了し、自由に本堂周辺を散策できます。)
授与できる御朱印は、授与所で掲示されているのでわかりやすく、授与所前に看板などで掲示してくださいます。
御朱印の種類は以下の通りです。
【通常の御朱印】
- 圓光大師二十五霊場 第二十五番 「法然上人」
- 圓光大師二十五霊場 第二十五番 「ご詠歌」
- 勢至堂
【特別御朱印】
- 三門
- 夜間特別拝観
【期間限定御朱印】
- 国宝御影堂落慶法要参拝記念「法爾大師」
- 方丈庭園国指定名勝記念「来迎引接(らいこういんじょう)」
- 国宝三門創建400年記念「三解脱門さんげだつもん」
知恩院の御朱印
知恩院の御朱印をそれぞれ紹介していきます。
通常の御朱印
圓光大師二十五霊場 第二十五番 「法然上人」
圓光大師二十五霊場 第二十五番 「ご詠歌」
右上に「圓光大師二十五霊場 第二十五番」の印章が押され、真ん中に「法然上人」と揮毫されています。
その下に「御宝印」が押され、左下に「寺印」があります。
左下の知恩院が一見「知見院」に見えるほど崩された文字で、流れるような文字で、法然上人の「人」の表現が大きく、上人の人柄を表しているようです。
圓光大師二十五霊場 第二十五番 「ご詠歌」
こちらも、右上に「圓光大師二十五霊場 第二十五番」、真ん中に「御宝印」、左下に「寺印」があります。
全体にわたり、「草も木も枯れたる 野辺にただひとり 松のみ残る弥陀の本願」の歌が揮毫されています。
その意味は、「草も木も枯れてしまった野にあっても松が緑を失わないように、このすさんだ世の中でも阿弥陀様の教えだけはいつまでもなくなることはありません」というもの。
「弥陀」の文字が強調されているのは、さすが浄土宗の教えを守る総本山らしいのでは。
勢至菩薩の御朱印
右上に「知恩院」真ん中に小判上の「印章」があり、右に「総本山」左に「知恩院」真ん中に「南無勢至菩薩?」揮毫が邪魔して判読できません。
左下に「知恩院勢至堂」と印章があります。
非常に流れるような書体で「勢至菩薩」と真ん中に揮毫されています。
特別御朱印
三門
通常は非公開で、御朱印もありませんが、不定期に期間限定で三門の公開と御朱印の授与が行われています。
2020年の秋季非公開文化財公開の折の御朱印は、右上に「国宝三門」の印章が捺印され、中央に「宝冠釈迦如来」と揮毫され、その下に三門に掲げている扁額「華頂山」の印章が押されています。
左下に「浄土宗総本山知恩院」の印章があります。
宝冠を小さく書いて、釈迦如来を大きく書くのが特徴で、全体的に流麗な文字です。
過去にも非公開文化財公開意外に知恩院独自で公開されていた記憶があります。
夜間拝観
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春と秋のライトアップ(夜間特別拝観)でいただくことのできる御朱印です。
春のものは真ん中に大きく「東漸大師」と揮毫され、右上に「夜間特別拝観」と青い印章が押されています。
秋は「阿弥陀如来」と揮毫され、右上に「夜間特別拝観」と青い印章が押されています。
その年により変わるようなので、公式HPの情報を参考にしてください。
期間限定御朱印
国宝御影堂落慶法要参拝記念「法爾大師」
右上に金で「葵御紋」、左に赤紫色で御影堂がプリントされています。
「法爾大師」は、上皇様(加諡された時は平成天皇陛下)により与えられた法然上人の新しい諡(おくりな)のことです。
右側に「国宝御影堂落慶法要参拝記念」と書かれ、中央に「法然上人 法爾大師」とあり、
その下に「本願念佛」と大きな印章が押印され、左下に「浄土宗総本山知恩院」の揮毫と印章があります。
授与期間は、令和2年7月17日(金)~授与されてなくなり次第終了です。
方丈庭園国指定名勝記念「来迎引接(らいこういんじょう)」
右上に「国指定名称 方丈庭園」の印章が押され、中央に「方丈庭園」をデザインした印章が押され、その上から来迎引接(らいこういんじょう)と揮毫されています。
これは、来迎は、念仏を唱える者の臨終に際し、阿弥陀仏が聖衆と共に極楽浄土より迎えに来ることいい、引接は迎えに来た阿弥陀により極楽浄土に導き救うことをといいます。
つまり、浄土宗に最終的な目標を一言で表したものです。
左下に大きく知恩院とかかれ、その下に「浄土宗総本山知恩院」の印章があります。
授与期間は、令和3年4月1日~令和4年3月31日までになっています。
国宝三門創建400年記念「三解脱門さんげだつもん」
国宝三門創建400年を記念して「三解脱門」の御朱印です。
三解脱門とは、「空門(くうもん)」「無相門(むそうもん)」「無願門(むがんもん)」という、悟りに通ずる三つの解脱の境地を表わす門(三解脱門:さんげだつもん)を意味しています。
授与期間は、令和3年9月1日~10月31日までです。
知恩院の御朱印帳のデザイン・サイズや価格
三門が描かれた濃い緑色の御朱印帳で、大判(18cm×12cm)初穂料は1,200円です。
この他に、法然上人霊場専用の紺色の蛇腹式御朱印帳があり、値段は1,200円で、サイズは18.2cm×12.2cmの大判です。
知恩院の見どころ
三門
冒頭で紹介したとおり、知恩院といえば先ずは三門が有名です。
ただし、特別公開される時期などは決まっておらず、「非公開文化財公開」による公開あるいは、知恩院独自で公開されます。
三門の内部も楼上から見える京都市の風景すべて写真撮影禁止です。
その為、ここから見える風景等の写真はありません。
下記は2020年度「非公開文化財公開」の看板にあった三門の写真です。
左にある仏像が重要文化財の「宝冠釈迦如来」右上が「龍」の図で、この三門の内部には他にも天上に天女や迦陵頻伽、梁には麒麟が描かれ、貫(柱を横に貫いて、柱と柱を結び付ける部材)には火災から守るための「マカラ」と呼ばれる架空の動物の図があります。
特別公開された場合は、華頂山の扁額がある正面向かって右側の山廊(さんろう)の裏側に
入口と拝観受付があります。
本堂(御影堂)
楼門に次いで有名なのが、本堂(御影堂)とそれから続く大方丈、小方丈ですが、方丈は特別公開以外で公開されることはありません。
御影堂の修復が完了して間もない2020年訪問時は、まだ通常の参拝者は自由に本堂に入れませんでしたが、現在は、自由に入れるようです。
御影堂といえば、個人的に内部に祀られる「阿弥陀如来立像」と「善導大師立像」の存在を思い出します。
どちらも、過去博物館でお会いしたことはありますが、御影堂でお会いしたことはなく、いずれ御影堂内部には参拝したいです。
この御影堂から集会堂を経て、大方丈の方丈庭園受付まで行くことで、庭園に入ることができます。
拝観料を払うと庭園を自由に拝することができますが、方丈建物の内部は公開されていません。
ただし、期間限定で、御影堂奥にある「大方丈」と「小方丈」の内部が公開されてることがあります。
【大方丈と小方丈、その間の方丈庭園】
【方丈庭園】
あとは、もうひとつの庭園として「友禅苑」があります。
友禅苑は、三門の近くにあり、拝観料は300円必要です。
庭園拝観料は以下の通りです。
友禅苑 | 方丈庭園 | 共通券 | |
大人 (高校生以上) |
300円 | 400円 | 500円 |
小人 (小・中学生) |
150円 | 200円 | 250円 |
団体 (30名以上) |
270円 | 360円 | 450円 |
(障害者手帳をお持ちの方は、手帳を見せれば無料で拝観できます。)
勢至堂
個人的におすすめなのが、重要文化財の「勢至菩薩」が祀られる勢至堂です。
ここの「勢至菩薩」様は唯一かもしれない単独で祀られる勢至菩薩様にして、重要文化財に指定されているうえ、勢至菩薩の代表作と言える方です。
残念ながら写真撮影はできませんし、さらに、外陣からの拝観となるので、そのお姿を詳しく拝することはちょっと難しいですが、鎌倉時代らしい写実的な姿をされています。
確かこのお堂の後方で写経か何か行われていたはずです。
なお、このお堂の向かって左側の崖にある「お堂」が法然上人の御廟です。
右が拝殿、左が御廟で、授与所で勢至菩薩様と法然上人の御朱印を頂いた時は、御影堂だけでなくこの二か所にも必ず参拝しましょう。
知恩院の七不思議って?
知恩院には、「知恩院の七不思議」と呼ばれる七つの遺構があります。
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七不思議は下記のとおりです。
なお、一部非公開となっているものもあります。
- 鴬張りの廊下(内部など構造は非公開)
- 白木の棺(三門の特別公開時のみ)
- 忘れ傘
- 抜け雀
- 三方正面真向の猫
- 大杓子
- 瓜生石
鴬張りの廊下
御影堂から集会堂、大方丈、小方丈に至る六百メートルに迫る長い廊下に施された防犯用の仕掛けです。
鴬は「ホーホケキョ」=法華経や「ホーケキョ」=法(ホー)聞けよ=「法を聞けよ」とその鳴き声がそのように聞こえることから、仏法と縁起のよいものとされているようです。
白木の棺
三門の建設に尽力した五味金右衛門とその妻がいたのですが、三門の建立予算超過の責任を取り自害しました。
その菩提を弔うために、宝冠釈迦如来の傍に木彫り像を納めた白木の棺があります。
現在は、本来その棺に納められていたご夫婦の像を棺の上に置かれて展示されています。
忘れ傘
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御影堂正面の軒裏に金網で守られた骨組みだけの傘があり、名匠左甚五郎が魔よけに置いたものと言われています。
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別の伝承では、白狐(濡髪大明神)が住処を作ってくれたお礼に置いたものと言われます。
いずれにしても、この傘とマカラのちからで三門は火災から守られています。
その写実性の高さから襖絵から動物が抜け出して、現在は何もないという絵が残されていることがあります。
抜け雀
この狩野派の狩野信政作という大方丈の菊の間の襖絵も、菊の上にいたはずの雀があまりに完成度の高さから襖絵から抜け出して、飛び立ってしまい現在は飛び去った跡のみが残っているといいます。
三方正面真向の猫
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七不思議の中で一番有名かもしれないのが、方丈の廊下にある杉戸に描かれた狩野信政筆の親猫と子猫の絵で、親猫がどちらから見ても見る人の方を正面からにらんでいるといいます。
しかし、この猫様尾っぽが大変立派で美しいので「化猫」のようにも見えます。
大杓子
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見てあまりのでかさに初見では「櫂」だと思っていました。
大方丈入口の廊下の梁に置かれている大きな杓子のことで、その大きさは長さ2.5メートル、重さ約30キログラムという実用性皆無の杓子です。
何故、人の手の届かないこんなところに置かれているのかというと、「杓に触らない」=「癪に障らない」ためという俗説もあるようです。
伝説では、大坂夏の陣で三好清海入道という者がこの大杓子をもって暴れまわったとか、兵士の御飯を「すくい」振る舞ったと言われています。
瓜生石
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黒門への登り口の路上に石の柵が巡らされた大きな石がり、これは知恩院が建立される前からあったもので、その昔植えた覚えのない瓜が一夜で伸びて、実をつけたという伝説があります。
別の伝承では、「八坂神社の牛頭天王がこの石に現れて瓜の実らせた」「この石の下を掘ると二条城へと続く抜け道がある」「隕石の落ちたところ」など様々な伝承があります。
なお、方丈庭園の拝観コース内(大方丈展示ブース)にて「七不思議」の展示が行われています。
ブースでは、「抜け雀」「三方正面真向の猫」「大杓子」「鶯張りの廊下」構造模型 などがあり、「傘」と「瓜生石」は常時公開されています。
御影堂→集会堂→大方丈→小方丈→黒門をでて瓜生石へと参拝すれば七不思議に会えます。
知恩院の七不思議「忘れ傘」の形をした最中が知恩院限定のお土産として人気のようです。
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七不思議って言葉に心惹かれますよねぇ~。
お菓子としてお土産にしたら思い出にもなります。
なお、この七不思議の他に知恩院には「葺き残しの瓦」というものがあります。
これは、御影堂の大棟の中央にある4枚の瓦のことで、完璧なものをつくると欠ける(失われる)可能性が高く、わざと不完全な形にすることで永久に残るようにしたといいます。
また、前述の白狐が見張りの為腰かけたものという伝説もあります。
知恩院のアクセス・駐車場情報
知恩院のアクセスは、「市営バス」が無難です。
市営バスにより、「祇園」から歩くか、「知恩院前」から歩くかで、バスはそれなりの間隔でくるので観光はしやすいです。
詳しい行き方等はこちらを参照してください。
知恩院側も公共交通での参拝をすすめており、駐車場は用意されているとのことですが、駐車場はどこにあるのかわからないので、知恩院のガードマンさんに聞いてください。
ただ、この場合ご回向、ご納骨、お墓参り等、知恩院に宗教的な用事がある場合に利用できるもので、通常の参拝については、「総本山知恩院新門南駐車場」を利用しなければなりません。
知恩院周辺のおすすめ御朱印巡り
八坂神社
八坂神社は、知恩院とともに祇園周辺を巡る定番のスポットです。
たくさんの御朱印、御朱印帳がありますよ。
得浄明院
善光寺の宗派なのですが、知恩院の黒門から西側に進むと善光寺大本願の京都別院の尼寺である「得浄明院」があります。
善光寺と同様に戒壇院めぐりができ、御朱印もあります。
ご興味のある方は、ぜひ特別公開のある日に参拝してください。
さいごに
知恩院は、桜と真夏、紅葉の時期にいくとそれぞれ美しい木々の姿を見ることができ、何度言っても飽きることはないと思います。
また、本堂の内部は広くて厳かな雰囲気が味わえ、集会堂・大方丈・小方丈・方丈庭園と拝観することができればかなり有意義な時間を過ごせると思います。
なにより、三門二階からの京都市街の眺めが素晴らしいのですが、写真撮影ができないので、その風景を心に刻んで帰りましょう。
これは意外なのですが、浄土宗の総本山なのに知恩院では、ご昼食の浄斎として「精進料理」が提供されています。
詳細は、知恩院のホームページをご覧ください。
知恩院の詳細 | |
住所 | 京都府京都市東山区林下町400 |
電話番号 | 075-531-2111 |
公式HP | https://www.chion-in.or.jp/ |
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