京都府の東寺は教王護国寺(きょうおうごこくじ)とも呼ばれ、「古都京都の文化財」の構成資産として世界遺産に登録されているお寺です。
京都駅から徒歩15分と近く、新幹線のホームから見える五重塔は東寺の境内にあるものなんです。
庭園には桜や紅葉の木々があり、見頃の季節になると夜間にライトアップが行われて、美しく幻想的な風景を楽しむこともできます。
また、境内の建物には数多くの貴重な仏像が納められていて、静けさが広がるお堂の中で目の当たりにする迫力あるその姿は圧巻されるばかりです。
魅力の多い東寺にある、御朱印や御朱印帳についてご紹介します。
東寺の御朱印の受付時間や場所は?
東寺の御朱印は、大宮通りの交番横にたつ慶賀門から東寺に入って、直進して左手に見える食堂(じきどう)の中で受付しています。
御朱印の受付時間は8:30〜16:30で、食堂への入場は無料です。
ご本尊の薬師如来がある金堂や数多くの国宝が納められている講堂、国宝の五重塔がたつ庭園のエリアへの入場については、拝観受付にて拝観料(大人 500円、高校生 400円、小・中学生 300円)の支払が必要です。
東寺の御朱印の種類
東寺の御朱印の種類は、通常御朱印と期間限定御朱印があります。
【通常の御朱印】
- 弘法大師の御朱印
- 大日如来の御朱印
- 薬師如来の御朱印
- 十一面観音の御朱印
- 毘沙門天の御朱印
- 愛染明王の御朱印
- 不動明王の御朱印
- 虚空蔵菩薩の御朱印
- 南無八幡大菩薩の御朱印
【期間限定の御朱印】
- 春期/秋期 夜間拝観限定の御朱印
限定御朱印帳込み2,500円(御朱印のみの取り扱いなし)
弘法大師にゆかりが深い京都のお寺、「東寺」「仁和寺」「神光院」は「三弘法」と呼ばれ、松の内(正月三が日)に三弘法をお参りすれば、その年は一年厄を逃れるという習わしがあります。
新年の厄除け参り以外にも、江戸時代には四国八十八ヶ所霊場参りの安全祈願に、東寺は東寺で菅笠、仁和寺で金剛杖、神光院で納札箱を授かり、それを身に着けて人々はお遍路修行へと向かったとされています。を授かって、道中で身に着けてお遍路修行へ向かったといわれています。
明治時代にこの風習は衰退しましたが、現在、三弘法が協力して、「京都三弘法まいり」が形を変えて復活しました。
三弘法の御朱印だけを収められる三弘法まいり専用の御朱印帳は、中央に弘法大師が描かれた豪華なデザインで、値段は700円です。
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お参りの順番は決まっていないので、どのお寺からでも自由にまわれます。
お寺で授かる菅笠、金剛杖、納札箱は、可愛いサイズのお守り型ストラップ(500円)や木札(200円)になっていて、それぞれのお寺でいただくことができます。
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東寺の通常御朱印
東寺の通常御朱印を順番に紹介していきます。
弘法大師の御朱印
ご本尊である弘法大師の御朱印は東寺の代表的な御朱印で、「京都三弘法めぐり」で御朱印をいただく場合もこちらになります。
どの御朱印にしようか迷った時は、まずこの御朱印をいただくのがおすすめです。
大日如来の御朱印
講堂で一番目をひく仏像である大日如来の御朱印です。
周囲の仏像とあわせて21体で立体曼荼羅があらわされていて、講堂で整然と並ぶ仏様たちを眺めていると、曼荼羅の世界に入り込んでしまったような気分になれるかもしれません。
薬師如来の御朱印
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金堂にいらっしゃる薬師如来の御朱印です。
東寺の薬師如来像は古い様式を用いられているため、薬壺(やっこ)を持たない仏像になっています。
薬師如来の御朱印にはついていることが多い薬壺が描かれていないのは、もしかしたらそのせいかもしれません。
十一面観音の御朱印
頭の上に小さな十の頭がのった不思議な仏様は、病気治癒などの現世利益の祈りをきいてくださるそうです。
食堂の中にいらっしゃるので、御朱印をいただくときに是非一緒にお参りしてくださいね。
毘沙門天の御朱印
東寺の毘沙門天像は、かつて平安京の羅城門に安置され、天元3年(980年)の羅城門倒壊時、何者かの手で瓦礫の中から掘り出されて、東寺に運ばれたそうです。
遥か古代より時を越えて今も確かな精悍たる姿は、宝物館に安置されています。
愛染明王の御朱印
愛染明王は梵名をラーガといって赤い色という意味で、本堂の愛染明王像をよく見ると、元の彩色なのかほんのり赤い体なんです。
言葉の意味を知ると仏像の鑑賞もより面白いものになりますね。
不動明王の御朱印
東寺の不動明王は仏像が金堂にあり、国宝に指定されています。
不動明王を四尊の厳めしい明王が囲む五大明王の姿は圧巻ですよ。
虚空蔵菩薩の御朱印
知恵が虚空のように広大というなんともスケールの大きい菩薩様で、東寺では五大虚空蔵菩薩の姿が見れます。
それぞれ蓮の花の上に座っているのに、そのまま異なる鳥獣の上に鎮座している様子はちょっとユニークですよ。
南無八幡大菩薩の御朱印
「南無八幡大菩薩」は、「(弓矢の神であり武士の守護神の)八幡大菩薩に自身の命運を委ねる」という意味で、武士が唱えた言葉です。
他の御朱印と違って梵字がなかったのは、仏様の名前ではなかったからなんですね。
通常御朱印の御朱印料はすべて300円です。
東寺の御朱印帳のデザイン・サイズや価格
紅葉の御朱印帳
光沢ある糸で彩られた紅葉が散りばめられた華やかな御朱印帳です。
中の和紙はしっかりした厚みがあるので、表裏両面使っても墨の染みはあまり気になりません。
サイズは一般的な御朱印帳の大サイズ18cm×12cmでカバー付き、金額は1,500円です。
桜(黒赤)の御朱印帳
黒地に鮮やかな花びらが、夜に咲き乱れる満開の桜を思わせます。
透明のビニールカバーがついているので、表紙が綺麗な状態で持ち運べますよ。
サイズは一般的な御朱印帳の大サイズ18cm×12cmで、金額は1,500円です。
桜(ピンク)の御朱印帳
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上記の御朱印帳とは柄が異なり、春の小川に流れる桜の様子を描いたような、波模様にカラフルな桜が咲き誇るピンクの可愛らしい御朱印もあります。
こちらもサイズは一般的な御朱印帳の大サイズ18cm×12cmで透明カバー付き、金額は1,500円です。
黄色の御朱印帳
光沢ある材質に箔押しされた植物の模様が重厚な雰囲気です。
サイズは一般的な御朱印帳の大サイズ18cm×12cmでカバーなし、金額は1,200円です。
亀の御朱印帳
黒と金の小さなうずまきひし形模様の上で、たくさんの小さなカメが遊んでいる可愛らしい御朱印帳は、唯一の小サイズ16cm×11cmです。
透明カバー付きで、金額は1,200円です。
東寺のライトアップ限定御朱印・御朱印帳
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毎年東寺では、春期と秋期に境内のライトアップと夜間特別拝観が行われます。
夜の闇空の中で鮮やかに浮かび上がる、春は桜、秋は紅葉、それぞれの季節ならではの絶景の庭園は必見です。
入場には特別拝観用のチケットが必要になります。
拝観時間はその年によって変わるようで、2021年秋期は18:00~21:30でした。
最新情報は公式サイトにて確認できます。
夜間特別拝観限定でいただける御朱印と御朱印帳についてご紹介します。
尚、この時間帯は持込み御朱印帳への書き込みは行っておらず、通常御朱印は弘法大師の書き置きの御朱印のみになります。
春期・秋期 夜間拝観限定の御朱印
梵天と帝釈天は一対で脇侍や仏像群の守護として置かれる神様で、東寺講堂にある立体曼荼羅でも、向かって右はじに梵天像、左はじに帝釈天像が置かれています。
梵天像は金色の体でガチョウの上に鎮座し、帝釈天は銀(灰?)色の体で象の上に鎮座していることから、御朱印の右上に鳥獣の印と、金銀の墨で梵字が書かれてるのでしょう。
象とガチョウの姿は忠実に描かれているので、是非実物と見比べてみてください。
こちらは夜間拝観限定の御朱印帳を購入すると、中に書き込まれている御朱印になっていて、御朱印のみをいただくことはできません。
日付は御朱印帳購入時にちゃんと書き込んでいただけますよ。
春期・秋期 夜間拝観限定の御朱印帳
【表】
【裏】
中に書き込まれている御朱印の、梵天と帝釈天ゆかりのアイコンで埋め尽くされた煌びやかな御朱印帳です。
紺とピンクとの色違いは、ピンクだけさりげなく水玉模様の中に桜が入っているのが可愛らしいですね。
サイズは一般的な御朱印帳の小サイズ16cm×11cmで、特別限定御朱印2種類込みで金額は2,500円です。
さいごに
東寺は駅から離れていないのに境内に入った途端、荘厳とした静けさが漂う不思議な空気が漂っています。
朝の澄んだ空気の中ならなおのこと感じられることでしょう。
御影堂では毎朝6時から生身供(しょうじんく)という法会(ほうえ)が行われます。
一の膳、二の膳、お茶をお供えし、生身供の最後には弘法大師空海が持ち帰った仏舎利を頭と両手にお授けいただくことができるというものです。
10分前までに御影堂の唐門か西門前で待機していれば、一般の方も参加できます。
駅の周辺で宿をとったときは、早朝の散歩と一緒に体験してみるのもいいかもしれませんね。
東寺の詳細 | |
住所 | 京都府京都市南区九条町1番地 |
電話番号 | 075-691-3325 |
公式HP | https://toji.or.jp/ |
公式SNS | |