三室戸寺(みむろとじ)は、京都府宇治市にある「あじさい寺」として人気高いお寺です。
明星山の中腹に位置し、坂道をのぼって山門をくぐり抜けると、「与楽園」という広大な庭園が右手に現れます。
季節によって、ツツジ・しゃくなげ・あじさいが咲き誇り、枯山水も楽しめる美しい庭は、足立美術館の庭園の中根金作が作庭したものです。
本堂などの建物のある場所とは高低差があり、上から庭園を眺められるので、ちょっと天界の住人になったような心地になれます。
季節によって色を変える三室戸寺の、御朱印やみどころについてご紹介します。
三室戸寺の御朱印受付時間や場所は?
三室戸寺の御朱印は本堂に向かって左にある納経所でいただけます。
御朱印の受付時間は拝観時間内で、季節で変わっていています。
拝観時間 | |
4月1日~10月31日 | 8時30分~16時30分 |
11月1日~3月31日 | 8時30分~16時00分 |
※気象警報が発令されている場合は、拝観を中止いたします。 |
三室戸寺の御朱印・御朱印帳の種類、値段(御朱印料)
三室戸寺の御朱印、御朱印帳の種類や値段(御朱印料)を紹介します。
三室戸寺の御朱印種類、値段(御朱印料)
三室戸寺の御朱印は、通常の御朱印の他に期間限定の御朱印があります。
【通常の御朱印】
- 大悲殿(だいひでん)の御朱印
- 西国三十三所第十番札所 御詠歌の御朱印
- 4種の特別御朱印[与楽・芭蕉の句・無功徳・浮舟]
【期間限定の御朱印】
- アジサイ昇龍図の御朱印
- 季節限定の御朱印
御朱印はすべて1枚300円です。
三室戸寺の御朱印帳の種類、値段(御朱印料)
特製御朱印帳は一冊1,200円で、20種類以上の綺麗な和柄の御朱印帳が用意されています。
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寺名や紋などが入っていないので、和柄だけの御朱印帳を探している方にはぴったりですよ。
三室戸寺の御朱印
三室戸寺の御朱印を紹介していきます。
通常の御朱印
大悲殿の御朱印
「大悲殿」というのは観音菩薩を安置するお堂のことを指し、三室戸寺は本尊が観世音菩薩なので本堂のことになります。
本尊は写真でも公開されていないほど大切に扱われているので、御朱印も収められているお堂のほうになっているのかもしれませんね。
西国三十三所第十番札所御詠歌の御朱印
「夜もすがら 月をみむろと わけゆけば 宇治の川瀬に 立つは白波」
宮中に現れる霊光の正体を探った天皇の使者が、宇治川の支流で千手観世音菩薩を見た、という寺伝を元にした御詠歌です。
「月をみむろと」が、「月を見ようと」と「三室戸」をかけているなら、ダジャレっぽくてちょっと親近感が湧きますね。
4種の特別御朱印[与楽・芭蕉の句・無功徳・浮舟]
【与楽】
「与楽」とは、仏教の「抜苦与楽(ばっくよらく:苦しみを除き、安楽を与える)」からきています。
印にあるような、三室戸寺に咲く美しいあじさいや蓮の花を眺めれば、心が浄められて、まさに「与楽」をいただけそうです。
【芭蕉の句】
「山吹や 宇治の焙炉の 匂ふ時」
境内にある石碑に刻まれている宇治についてよんだ松尾芭蕉の句です。
焙炉は茶葉を乾燥させる道具のことで、山吹と新茶の時期が同じくらいなので4~5月によまれた句と思われます。
新緑の季節に、庭園の茶屋でお茶をいただきながらよんでみるのも一興ではないでしょうか。
【無功徳の御朱印】
「無功徳」とは、禅宗の始祖といわれる菩提達磨の言葉で、禅の行為は利益を求めないことというものです。
損得勘定で動いてしまいがちですが、それがすべてではないということに気づかせてくれる言葉ですね。
【浮舟の御朱印】
宇治の各地には『源氏物語宇治十帖』にちなんで「宇治十帖の古跡」が設けられていて、三室戸寺の境内には「浮舟の古蹟(跡)」があります。
出家してもなお薫の影に捉われ続ける浮舟のやるせない恋模様は、宇治の地で描かれていたのだと思うと、見渡した宇治の景色も違って見えそうです。
期間限定の御朱印
アジサイ昇竜図の御朱印
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三室戸寺では本堂に続く石段にあじさいを並べて昇龍を描いた「あじさい昇竜図」が、6月上旬ごろに期間限定で登場します。
「昇竜」は「勢いのいい」という意味で使われる縁起のいいものですので、新しいものを始めるときなど、勢いをつけたいときに是非。
季節限定の御朱印
現在いただける季節限定の御朱印を紹介します。
8月・9月限定の御朱印:「秋月」「慈光」
【慈光】
「慈光」とは「仏菩薩が放つ慈悲の光」や、万物を慈しむ光という意味で「太陽の光」のことをいいます。
すべての願いをきいてくださる観世音菩薩のお寺をあらわすような言葉です。
【秋月】
満月を見上げるウサギとコスモスやススキが描かれた季節感に溢れた御朱印です。
「あじさい寺」三室戸寺の見どころ
三室戸寺の最たるみどころ「あじさい園」は、6月1日~7月第二日曜ぐらいまでの期間で開演しています。
見渡す限り咲き誇るあじさいは約2万株、珍しいものもあわせて50種類あるというから驚きです。
日中の太陽の光を浴びた色鮮やかなあじさいも美しいですが、夜間はライトアップされ、暗闇の中に浮かび上がる幻想的な景色を楽しむことができます。
日中は8:30~16:30(16:30には下山)、夜間は6月27日までの土日のみで19:00~21:00(20:30受付終了)と分かれていて、拝観にはそれぞれの時間帯で大人800円、子供400円がかかります。
三室戸寺のあじさい(紫陽花)ハートを見つけよう!
三室戸寺の境内にある紫陽花庭園は、色とりどりのあじさいを楽しむことができます。
品種の多さはもちろん、数が多いと偶然にユニークな形が生まれることもあるんです。
ふっくらしてかわいいハートのかたちは、花の重みで自然にできたものなんだそうです。
「みつけると恋愛が成就する」そうで、たくさんあるあじさいの中を探せば、一輪くらいはあるかもしれませんね。
ハートのあじさいにちなんだ恋愛成就のお守りもあります。
持っているだけで女性らしさもUPしそうなかわいいデザインのお守りは、1つ500円です。
絵馬もハートのあじさいをかたどっています。
キュートな絵馬に願いを託せば、ラブパワーは強力なりそうです。
三室戸寺でランチやカフェタイム
境内の庭園の中には、板壁でレトロな雰囲気の小さなお店、和風茶屋「花の茶屋」があります。
16品のデザートやお食事を楽しむことができ、中でも人気なのが「ハートのあじさいパフェ」です。
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あじさいをイメージしたキラキラのトッピングが可愛いです!
一緒についてくるハートのコースターも可愛くて、お持ち帰りしたくなります。
営業期間は、4月13日から7月中旬、つつじ・シャクナゲ・紫陽花庭園のオープン期間中です。
境内散策での一息に、美しい花々に囲まれながら、美味しいスイーツを堪能してみてはいかがでしょうか。
三室戸寺の駐車場やアクセス情報
駐車場は収容台数300台、料金は15分40円、24時間最大432円です。
あじさいの時期にあたる6月中~下旬の土・日曜は大混雑が見込まれ、状況によっては入場制限や最終入山受付時刻を早めることもあるそうなので、スムーズな移動には公共交通機関の利用がオススメです。
電車は京阪宇治線「三室戸」駅下車で徒歩15分です。
バスはJR宇治駅2番のりば、もしくは京阪宇治駅3番のりばの40系統か40A系統「門前」バス停下車で徒歩8分です。
三室戸寺は山の中にあるので、バスに乗ったほうが歩く時間が短くてラクチンですよ。
※例年、あじさいの時期に合わせて「あじさい号」という直通臨時バスが京阪宇治駅とJR宇治駅から出ていますが、感染症拡大予防対策のためか2021年は運休でした。
運航スケジュールは京都京阪バスのホームページにてご確認ください。
さいごに
三室戸寺の本堂の前には、「勝運の牛」という、口の中に手を入れて中の石玉を撫でると勝運がつくという石像があります。
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昔、貧しい百姓夫婦が貧弱な子牛に三室戸寺の草を食べさせていると、ある日、何か丸いものを吐き出し、それから次第に元気になって闘牛で勝利して主に宝をもたらした伝説が元になっています。
勝運の牛はまたの名を「宝勝牛」といい、御朱印の「宝勝」はここからとったもののようです。
他にも、抱いた球体の中にある卵を立られれば昇運がつく狛兎や、撫でると財運・良運がつく顔が老翁で体が蛇という狛蛇(宇賀神)など、美しい庭園以外にも、目を引くおもしろいものがたくさんあるのでお見逃しなく!
三室戸寺の詳細 | |
住所 | 京都府宇治市莵道滋賀谷21 |
電話番号 | 0774-21-2067 |
公式HP | https://www.mimurotoji.com/ |
公式SNS | |