福島県の磐梯山のさらに西にある会津若松市は、戊辰戦争の第二の戦役である「会津戦争」の舞台となった「鶴ヶ城」があります。
この城を巡る戦いで、会津の城下町では多くの犠牲が生まれたのですが、その中でも「白虎隊」の話は有名です。
その白虎隊が城下町に火の手が広がっているのを見て、鶴ヶ城が炎上しているものと思い、自刃を決意した場所がこれから紹介する「飯盛山」です。
下の写真が隊士たちの自刃した場所で、会津市内を見渡せます。
中央の通信塔?の奥にうっすら見えるのが「鶴ヶ城」です。
傍には慰霊碑があります。
また、現在飯盛山には自刃した隊士たちを葬るお墓と神として祀るお堂があります。
上の写真が自刃した十九名の墓です。
自刃したのは、二番隊の隊士の内飯盛山に逃れた隊士たちで、他にも城下での戦闘でも戦死者がでており、相当数の若者の命が失われたようです。
写真は、自刃することなく、生存することができた白虎隊二番隊の隊員の銅像。
この銅像の隊士のように生き残った者もあり、白虎隊や会津戦争については、飯盛山山内にある「白虎隊伝承史学館」や「白虎隊記念館」の展示で知ることができます。
このように山全体が白虎隊の関連史跡となっており、現在、飯盛山は会津若松を代表する観光名所となっており、歴史好きは一度は訪れるべき場所です。
そして、白虎隊を供養する場でもあるこの山には、お寺でも神社でもない独特な御朱印が授与されていることでも知られ、ある意味「霊山」のような趣があります。
では、飯盛山と白虎隊、鶴ヶ城とその関連史跡を紹介します。
白虎隊「飯盛山」御朱印受付時間や場所
飯盛山の地図は無料で、現地にあるスロープコンベヤ切符売り場で置いてあります。
飯森山でいただける御朱印は3か所あり、それぞれで授与されています。
御朱印が授与される時間は、飯盛山が開山している時間に限られるので、この山の墓守をしている「飯森分店」という売店が8時から17時までの営業となっており、全ての御朱印はこの時間内に授与されていると考えられています。
飯盛山入口のスロープコンベヤの切符売り場
上記写真のような「動く坂道」スロープコンベアがあり、利用するには切符が必要になります。
これを利用すれば飯盛山は楽にいけますが、勿論料金がいります。
一般料金 | 大人(中学生以上) 250円 | 小人(小学生) 150円 |
団体料金 | 大人30名様以上 210円 | 200名様以上 170円 |
修学旅行特別料金 | 中・高校生 150円 | 小学生 100円 |
コンベア入口の傍に切符売り場があり、切符を購入する窓口のさらに隣に授与所があり、ここで御朱印を頂けます。
御朱印料は300円で、2022年度現在は書置きのようですが、2019年頃訪問した時は、御朱印帳に直書きしていただきました。
右上に「飯盛山参拝記念」、中央に大きく「参拝記念」と大きな印がおされています。
御朱印としては、揮毫が多く、右から「飯盛山」「会津の華と名を残し」「忠烈白虎隊」と揮毫されています。
御朱印というよりも「参拝記念印」と呼べるものです。
宇賀神堂隣の売店
かの有名なサザエ堂の隣に、宇賀神堂があり飯盛山に葬られている白虎隊の隊士十九名も祀られ、「白虎隊十九士霊神」として祀られています。
この御朱印は、宇賀神堂の隣の売店で揮毫されており、御朱印料は300円です。
この御朱印は大半が「スタンプ」形式となっています。
右上に「忠烈義烈」「白虎隊十九霊神」とあり、左側に令和と年月日のみスタンプされ、参拝の月日は揮毫してくださいます。
印章は中央に集中し、上に大きな印章があり、右下に「白虎隊」左下に「会津 飯盛山」と押されています。
京都の「広隆寺」の御朱印に近いです。
かつては、サザエ堂も寺院だったのですが、現在は会津若松市管理のただの施設で、御朱印はなく、サザエ堂の隣にある先ほど紹介した宇賀神堂の「白虎隊十九士霊神」のみが飯盛山でいただける本来の御朱印です。
飯盛分店で頂ける御朱印
飯盛分店は、白虎隊墓守さんが運営する売店です。
以前は、白虎隊墓守が直書きする御朱印がいただけましたが、現在は白虎隊墓守さんがお書きする書置き見開き御朱印がいただけます。
飯森分店の公式Facebookによると2021年現在、月替わりの見開き御朱印、そして旧暦と新暦の命日見開き御朱印、疫病退散御朱印の4種類が存在します。
御朱印料は1,000円。
月替わりの見開き御朱印
2019年に受け取った月替わりの御朱印の8月です。
天皇陛下即位を記念したものであるため通常の8月御朱印と少し違います。
この御朱印は毎月更新されているもので、中央に「忠烈 白虎隊」と揮毫され右上に季節ごとの花のイラストがあり、左下には四神の一人「白虎」の姿を描きます。
右上に「会津飯盛山」、「中央上に「会津藩」と「徳川家」の家紋、中央に大きな印章があります。
右上のイラストと台紙の色が月ごとに違うようなので、一年分集まれば面白いかもしれません。
なお、この御朱印はバックナンバーとして以前のものも配布されているようです。
旧暦と新暦の命日見開き御朱印
8月23日が飯盛山で自刃された白虎隊さんの旧暦命日にあたり、この日にのみ授与される限定見開き御朱印です。
2021年度は大小それぞれ20枚ずつ御用意してあったようです。
この御朱印に揮毫されている言葉↓
『幾人の 涙は石に そそぐとも
その名は世々に 朽じとぞ思う』
これは松平容保(源容保)が、飯盛山で自刃された白虎隊士の殉難志節に対し1884年(明治17年)の飯盛山での白虎隊墓前祭で詠まれた弔歌を御朱印に揮毫されています。
新暦の御朱印もありますが詳細は不明で、飯森分店の公式Facebookにも単体の画像はありません。
疫病退散御朱印
コロナ災禍の鎮静を願って授与されているものだと思われます。
中央に大きく「疫病退散」とあり、かの有名な赤べこの印がその下に押されています。
左下には白虎が描かれ、左下には「会津飯盛山白虎隊墓守」とあります。
飯盛分店で御朱印帳を購入した場合に、白虎隊墓守直筆の白虎隊御朱印3ページ見開きが記帳されているようです。
ただし、常にそうなのかは不確かですので、直接飯盛分店にお問合せすると良いと思います。
白虎隊「飯盛山」の御朱印帳のデザイン・サイズや価格
飯盛分店で取り扱う御朱印帳を紹介します。
白虎くん御朱印帳 と弁天ちゃん御朱印帳
右が白虎君、左が弁天ちゃんの御朱印帳です。
白虎君は、桜花びらの舞う飯盛山を背景にアニメ風のキャラがたたずんでいます。
弁天ちゃんは牛(赤べこではない)の背にのり、両手で捧げる三方にお赤飯?を持っています。
ともに料金は2,000円です。
本漆塗り御朱印帳 黒と赤
料金は10,000円
『うるし紙』御朱印帳
こちらの御朱印帳は現在も販売されているのかは不明です。
(2021年7月23日飯盛分店のFacebookには御朱印帳があることを確認済み)
そして、飯盛分店ではこれらの御朱印帳を郵送もされています。
郵送対応ができる御朱印帳の種類に関しては、直接飯盛分店にお問合せすると良いと思います。
白虎隊「飯盛山」の駐車場は?
飯盛山の駐車場として知られるのが、「会津若松市営観光客用無料駐車場(飯盛山観光客用無料駐車場)」です。
小型自動車80台、利用時間は8時30分から17時15分までとなっています。
この駐車場の隣に、飯盛分店の有料駐車場があります。
駐車料金は1,000円ですが、駐車時に飯盛分店で使える買物割引チケット500円をいただくことができますよ。
また、市営以外の民営の駐車場がありますが、ここは近隣のお土産店の駐車場であり、買い物をしないと無料にはならないという情報があります。
せっかく来たのでお土産は・・・と思うのですが、購入強制されるのは気持ち的に嫌なものです。
まあ、お土産屋の駐車場なので利用するならお土産をかってあげて、断りを入れておきましょう。
飯盛山周辺の御朱印
飯盛山周辺に白虎隊に関連のある御朱印を紹介します。
妙國寺
妙國寺は、白虎隊関連の史跡を伝える寺院です。
戊辰戦争で飯盛山で自刃した白虎隊士の亡骸は放置されていたのですが、官軍の目をかいくぐり隊士たちの遺体を最初に埋葬した地であり、会津藩主松平容保公が謹慎された場所でもあります。
阿弥陀寺
鶴ヶ城の遺構であり、若松城 の小天守 にあたる「御三階」が残っている寺院です。
そして、「会津東軍墓地」があり、戊辰戦争での戦死者を弔っています。
さらに、新選組三番隊隊長「斎藤一」の墓とされる墓石があります。
2019年には庫裏に「御朱印はない」という張り紙があるため御朱印がなかったのですが、その後、別の場所で「会津東軍墓地」という書置きの御朱印があることが判明しました。
阿弥陀寺ではなく、道の迎えにある七日町観光案内所でいただけます。
実はこちらの御朱印の書き手は、白虎隊御朱印を書く白虎隊墓守さんです。
さらに七日町観光案内所では、会津限定の新選組御朱印帳が販売されています。
【表】
【裏】
サイズは、縦16cm×横11.5cmでクリアハードケース付き税込2,240円。
七日町観光案内所の公式サイトのネットショップより購入することができますよ。
鶴ヶ城
会津戦争の舞台となったお城です。
現在のは太平洋戦争後に再建されたもので、近年瓦が「赤瓦」にお色直しされきれいな外観をしています。
内部は博物館となっており、最上階は展望台となっており会津市内を見渡せます。
令和2年には2種類の御城印をいただきました!
さいごに
福島県を代表する観光スポットと言えば、「磐梯山」と「猪苗代湖」、「飯盛山と鶴ヶ城」が有名と思われますが、幕末のこともあり、岩手県の中尊寺と平泉や宮城県の松島と瑞巌寺のように華のある観光名所とは言えない気がします。
加えて、飯盛山と鶴ヶ城のある会津若松は福島県では第4位の人口を誇る都市なのですが、陸地側にあるためやや交通が不便なのが「玉に瑕」です。
ですが、幕末好きには勉強になるスポットが多いので一度は訪れるべきかと思いますし、不便ゆえに、人が訪れることなく自分だけの時間を楽しめることができるので魅力的な場所と思います。
是非訪れてください。
白虎隊「飯盛山」の詳細 | |
住所 | 福島県会津若松市一箕町飯盛山上 (飯森分店のもの) |
電話番号 | 0242-22-5818 |
公式HP | http://iimoriyama.jp/iimori.html 飯盛山にある飯盛分店のもの |
公式SNS | 飯盛山の墓守の方もの |