大阪ミナミの繁華街に位置する法善寺横丁は、天龍山法善寺を擁する大阪の美味しいもの集まった人気のグルメスポットです。
「法善寺横丁」と掲げられた門をくぐると、長さ80m、幅3mの細い石畳の路地の両側にはレトロ感漂う雰囲気の飲食店がずらりと並んでいます。
このエリアはもともと法善寺の境内で、江戸時代には寄席が2軒あっただけだったそうですが、明治の終わりから、参拝客や芝居小屋へ向かう人たちの休憩所として、茶屋や露店などが集まってきて、横丁の形をなしていったということです。
古き良き町並みの風情を残す、法善寺の御朱印や法善寺横丁の見どころなどについてご紹介します。
法善寺横丁~天龍山法善寺へ
「水掛不動尊」の名で親しまれ、多くの観光客で賑わう天龍山法善寺は、法善寺横丁の中にあるため、参拝には、まず、法善寺横丁に向かう必要があります。
かに道楽などでおなじみの道頓堀商店街と並行して通っている道で、なんば駅、もしくは日本橋駅から徒歩1分で、法善寺横丁に到着します。
このとき注意したいのが、法善寺横丁に入る道は2本あるということ。
「法善寺横丁」と書かれた門がある道に行きたくなってしまいますが、法善寺があるのはその一本南側に通っている道になります。
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東側の千日前通りから入るなら、「天龍山法善寺」という石柱が目印です。
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西側の道からなら「法善寺」の門があるので、こちらから入るほうがわかりやすいですね。
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町並みに溶け込んでお寺があるという、ちょっと不思議な空間です。
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法善寺のある大阪ミナミの一帯は「千日前」と呼ばれています。
江戸時代、法善寺は京都宇治にありましたが、当時の住職だった中誉専念法師により大阪難波の地に移されました。
専念法師は民衆に寄り添う暮らしをしていて、人々の供養のために千日間の念仏を唱える「千日念仏回向(せんにちねんぶつえこう)」を行っていたことに由来し、地名がつけられたそうです。
天龍山法善寺のご利益や見どころ
西向不動明王(水掛不動尊)
水をかけてお願い事をすると、どんな願い事でもかなえてくれるといわれています。
全身を深い苔で覆われた不動明王の姿は、それだけ多くの人々の願いを受けたということなのでしょうね。
お不動さんの御縁日にあたる毎月28日、水掛不動明王護摩法要」が行われます。
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お不動さんの前で火を焚いて、「たのんまっせ お不動さん」と、大願成就を願うのだそうです。
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時間は19:00~21:30、護摩供養料は500円と300円があります。
金毘羅堂
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海上交通の守り神である金毘羅さんが、なぜ大阪の街中に祀られているのかといえば、昔、難波は港町だったからなんです。
今も陸地から大阪の港を守っているのでしょうね。
毎年10月には「金毘羅大祭」というお祭りが盛大に行われています。
二河白道堂(にがびゃくどうどう)
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「二河白道」は、1300年前に中国の高僧善導大師が説いた、この世からあの世へ往生する様子をたとえた話です。
お堂を抜けた先にある「南無阿弥陀仏」を極楽浄土とし、そこに向かうまで道のりで二河白道の世界を立体的に表現したものです。
ここを歩いて、往生の疑似体験をしてみてはいかがでしょうか。
天龍山法善寺の御朱印種類・受付時間や場所は?
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天龍山法善寺の御朱印は授与所(寺務所)にて受付しています。
ぱっと見では気づきにくいですが、洗心水(手水舎)奥に授与所があります。
【御朱印の種類】
- 天龍山法善寺
- 南無阿弥陀仏 大阪新四十八願所・第48番
- 阿弥陀如来
現在のところ、期間限定の御朱印や御朱印帳はないようです。
参拝は24時間可能ですが、御朱印がいただけるのは通常8:00~23:00、現在は緊急事態宣言解除直後ということもあり10:00~18:00の間です。
天龍山法善寺の御朱印
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「名刹」とは名高いお寺のことだそうで、頭に「浪花」とつくのが大阪の下町っぽい味わいがあります。
スタンプの御朱印に日付を手書きでいただけます。
金額は300円です。
阿弥陀如来の御朱印
通常は書き置きですが、書き手のかたがいらっしゃれば手書きをいただけます。
運よく手書きをいただくことができました。
別院の長圓寺でも手書きをいただくことができますよ。
金額は300円です。
南無阿弥陀仏(大阪新四十八願所阿弥陀巡礼 第48番)の御朱印
上の二つの御朱印とはデザインが異なり、「奉拝 南無阿弥陀佛 法善寺」と書き文字が入り、右上に「大阪新四十八願所阿弥陀巡礼 第48番」、中央に梵字、左下に「天龍山法善寺」の印が押されます。
念仏が書かれているのは御首題がほとんどなので、御朱印になっているのはちょっと珍しいですね。
書き置きで300円です。
法善寺横丁のグルメ
法善寺横丁のグルメを少し紹介します。
老舗甘味処「夫婦善哉」
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法善寺に隣接した場所に位置する甘味処です。
店の屋号と同じ名物「夫婦善哉」は一人前が二つのお椀に分けられて出てくるもので、元は一人前が二つの器に入っていたほうがお得に見えるからという理由でしたが、二つが一つになっているところが夫婦円満に転じて、縁起物となったそうです。
大阪出身の文豪、織田作之助の『夫婦善哉』は、なんとこのお店の屋号からとられたそうで、作中では実際に夫婦善哉を食べる場面があります。
夫婦だけでなく、お友達と食べても、円満なご縁に結びつきそうです。
法善寺横丁 やき然
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大阪グルメといえば、お好み焼きです。
名物「モダン焼き」は焼そばの上にお好み焼きがのっているボリューム満点のメニュー。
昔ながらの素朴な味わいに、どこか懐かしさを感じられることでしょう。
かつ丼専門店「喝飩(かつどん)」
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専門店というところから、かつ丼対するこだわりが感じられる人気のお店です。
国産ロースを使ったサクふわのカツに出汁がまろやかさを出して、ご飯との相性がバッチリ。
食材の旨味を逃さず、料理の温かさを長く保てる銅鍋を使っているのも美味しさの秘訣です。
かつ丼自体は東京生まれですが、浪花で育ったこだわりのかつ丼を是非ご賞味あれ。
天龍山法善寺周辺御朱印巡り
大阪天満宮
大阪天満宮は、学問の神様である菅原道真公が祀られていることから、多くの受験生が訪れる神社として知られています。
特別な日にしかいただけない御朱印、御朱印帳の他に運試しができる行いがあるので、ぜひ一緒に参拝されてください。
露天神社(お初天神)
露天神社の別称「お初天神」にちなんだ「お初天神通り商店街」があり、大阪グルメを堪能することができます。
露天神社の御朱印と御朱印帳は、お初天神と呼ばれるようになった馴れ初めの徳兵衛とお初の姿をあらわされている所があります。
是非、法善寺横丁のグルメを堪能した前後に「お初天神通り商店街」のグルメもいかがでしょうか。
さいごに
法善寺横丁は、2002年9月と翌年2003年4月の二度にわたり、火災に見舞われ、法善寺や周辺のお店には大きな被害が出てしまいました。
当時の路地の幅は2.7mで、お店を建て直す幅には足りず、横丁の雰囲気を壊さずに再建できるのかが大きな問題になったそうです。
大阪の人々の「横町の風情を守りたい」という強い思いと、大阪市の協力により、再建工事は行われ、見事に復興を果たし、現在の法善寺横丁はあります。
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当時の復興に思いを寄せた人々への感謝として、2004年、法善寺北側の路地には「慈悲地蔵尊(じひじぞうそん)」が造られました。
法善寺横丁の魅力は、大阪の人たちの思いから生まれたものといえるでしょう。
天龍山法善寺の詳細 | |
住所 | 大阪市中央区難波1-2-16 |
電話番号 | 06-6211-4152 |
公式HP | https://houzenji.jp/ |
公式SNS | なし |